がんのリスクを考えた住宅ローン選びとローン返済
50歳を過ぎると同窓会のお知らせをいただくことが多くなってきました。30歳過ぎまでは数年おきに集まっていたものの、それ以降になるとだいたいの方は結婚・子育て・新居での生活というライフステージに入ってしまっていたため、ふと気が付くとかなりご無沙汰になっていました。
周りに聞いてみましたがそういうのは一般的なようです。そして50代になり子育てで手が掛からなくなってきたこと(お金は掛かりますが・・・)、フェイスブックなどネットで気軽に連絡が取れるようになったことで、懐かしい顔と再会できるチャンスが広がって楽しみが増えています。
同窓会で連絡を取り合っている時に「エッ!」と驚くことがありました。クラスは違うのですが同級生が何人か亡くなっていることを知らされました。そういえば、以前の勤め先でも同期入社組が亡くなっています。
その死因でよく聞くのが『がん』です。ここ数年でも有名人が「がん」に冒されているニュースを目にするのが多くなりました。そこで昨今の『がん事情』を再確認してみました。
公益財団法人がん研究振興財団が出版している冊子「がんの統計2013年版」およびWebサイト「がん統計情報サービス」によると、人口10万人あたりがん罹患率は1975年以来一貫して右肩上がりで増えています。
2011年は1975年の3倍前後であり、死亡率も同様の傾向となっています。年を追うごとに私たちへの「がんリスク」が高まっていることを示しているデータです。
「日本人の2人に1人はがんになる。3人に1人とはがんで亡くなる。」いう言葉を耳にはしてましたが、自分の周りで見かけるようになって初めて現実問題として受け止めるようになりました。
一方、がんと診断されて5年後の生存率も高まっているデータがありますので、"がんに罹った=大切な人を失う"ということではないように思います。ただ、がんと診断された後の影響のほうが大変気になります。
治療にかかるお金や期間もさることながら、就労の制限を受ける(収入や職位)ことにダメージがあるように思います。その背景に、がん発覚後の3分の1が無職になり、がん患者の平均年収が約395万⇒約167万円という統計がありました(週刊ダイヤモンド2015.4.18号の特集記事より)。
いずれにせよ症状や立場によって違いますが、"これまでの生活収支の延長線を描くことが難しくなる・・・"と考えられます。
最後に本題が来てしまいましたが、そうなると住宅ローンを返済している世帯への影響は計り知れません。一般的に20年〜30年掛かっての完済ですから、その間に「がん」と診断される可能性を先行き高めに見ておいたほうが良いのかもしれません。
特に住宅ローンの返済開始年齢が30代半ば以降の方には「がん診断保障付きの団体信用生命保険(がん団信)」を出来る限り付けていただくようアドバイスしている今日この頃です。
がん団信とはガンと診断されたら住宅ローン残高がゼロになる保険を指します。がん団信を付けるためには住宅ローン金利に0.1%〜0.2%上乗せされるのが一般的ですが、年齢等の条件で金利を上乗せしない金融機関も見かけますので一度探してみてください。