消費税増税と工事遅延の影響で未完成住宅の引渡しを受けるときの注意点は?
未完成の住宅の引渡しについてのご質問ですね。住宅は完成してからその代金を支払うものです。そして代金を支払うと同時に引渡しを受けられますから、完成後に引渡しを受けるということになります。これがあくまで実行すべき取引の基本となります。
今回のご相談のように、工事が遅延して引渡し時期が遅れることがあります。毎年、3月のように企業の決算時期が絡むときには工事が遅延しているにも関わらず、未完成の住宅を強引に引渡そうとする不動産業者やハウスメーカーがあり問題となっています。
さらに、4月になれば消費税が増税となることは買主にとっても好ましくないため、買主としても早めの引渡しを望んでいることもあります。ここは思案のしどころですね。
工事遅延の理由が売主やハウスメーカー側にあることが明確な場合は、消費税の増税分を相手方に負担してもらうよう交渉してでも引渡しを急がないことが望ましいでしょう。未完成住宅の引渡しは、その後の対応が悪くなるなどトラブルの基になりやすいからです。
今年(2014年)の場合、2月に大雪があったために工事が遅延した現場もあります。このように天候が理由の場合であれば、工事遅延が売主等の側にあるとは言えないこともあり、引渡し遅延となったときの消費税増税分の負担は話し合いということになりますが、基本的には買主負担となりそうです。
未完成工事がまだまだ多い場合は、売主側の倒産リスク(倒産して完成しないというリスク)も考慮して引渡しを受けるべきではありません。ごく一部だけであれば、買主の判断で引渡しを受けることもあると思いますが(お奨めはしません)、その場合には「完成日と引渡し日」を明記した書面を提出してもらうようにしましょう。その書面に記載すべき事項として最低でも以下のことがあげられます。
- 遅延後の完成日・引渡し日
- 完成後・引渡し前に買主(または施主)による完成検査(内覧会)を実施すること
- 完成検査(内覧会)で指摘したことを引渡し日までに補修すること
- 補修工事を含むすべての工事を売主(または施工会社)の責任と負担で行うこと
- 対象物件を特定する情報
新築住宅の工事が遅延し完成時期が遅れるときの6つの注意点
消費税増税、住宅購入への影響 〜増税前の駆け込み契約と2014年3月問題〜
住宅の内覧会とは完成検査(竣工検査・施主検査)