基礎のクラック(ひび割れ)は大丈夫?
住宅の建物調査をしているなかでも、基礎のクラックは建物に関して、非常によく頂くご相談です。基礎のクラックと言いましても、その程度などによって判断が大きく異なります。
よく、ヘアークラックと構造クラックにわけてお話することがありますが、これらを簡単に説明すると以下のようになります。
ヘアークラックとは、基礎の表面のモルタルがひび割れしているもので、構造的な心配はありません。但し、施工業者や不動産会社などが構造的に問題あるひび割れをヘアークラックだと誤った説明をしていることもあるので、利害関係者の説明である場合は真偽を確かめることも検討した方がよいでしょう。
但し、放置しておくと、ヘアークラックとはいえ、そのひび割れ部分から雨水が進入してしまい、クラックが広がったり、表面のモルタルが浮いてしまったりして劣化を早めることになりかねません。よって、急ぐ必要まではありませんが、たまにメンテナスするようにした方が良いでしょう。
一方で、構造クラックとは、表面のモルタルだけではなく、基礎コンクリートそのものにひび割れが生じているものです。
基礎コンクリートにひび割れが生じている場合には、程度に応じて適切な対応を考えた方が良いでしょう。応急措置としては、シーリングを注入するなどの方法でも良いですが、できれば、構造クラックが生じた原因も調べて、場合によっては抜本的な対策を検討した方が良いことも多いです。
構造クラックが生じる原因としてはいろいろなことが考えられますが、一例をあげると以下のようなことがあります。
・新築時の施工不良の表面化
・新築時の設計プランの問題
・地盤に起因するもの(軟弱地盤など)
・築年数の経過による激しい劣化とメンテナンス不良
そして、上記のいくつかの複合的な要因で構造クラックが生じることも非常に多いです。
住宅の基礎にクラックを発見したときには、まずは以下のことをしてください。
・他の基礎部分に同様の症状がないか確認する
・外壁や室内の壁などにひび割れがないか確認する
・床や壁に傾きがないか確認する
・その他に生活する上で何か気になる症状がないか確認する
その上で、一級建築士に建物調査を依頼すると良いでしょう。
基礎コンクリートのジャンカ:木造住宅の住宅検査(住宅診断)より
中古住宅+住宅検査(住宅診断)という選択
不同沈下と基礎のクラック(ひび割れ)
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