リフォーム・リノベーションの工事開始時のチェックポイント
リフォームやリノベーションのプランを決めて(設計図書・仕様書の作成をして)、工事の見積り金額にも合意して工事請負契約を結んだあとは、いよいよリフォームやリノベーション工事に着手することになります。ここでは、工事着工段階においての注意点やチェックポイントについてお伝えします。
最初に実施される工事は既存部分の解体です。リフォームやリノベーションのプランなどによって解体箇所や範囲は異なりますが、解体工事を伴わないリフォーム・リノベーションはほぼないでしょう。
ここで注意してチェックしておきたいポイントは、解体後の状況を確認することです。たとえば、床の一部を解体すれば、それまでは見えなかった部分を目視で確認することができます。壁の一部を解体すれば壁の中も確認できるようになります。
はじめに住宅診断(ホームインスペクション)を利用していたとしても、その時点で見えない箇所についてはなかなか判断できないものですが、解体することで確認できる範囲が増え、それによりそれまで確認できていなかった建物の不具合や劣化が見つかることがあります。解体してみると内部で雨漏りしていてカビが繁殖していた事例もあります。
また、見えなかった部分に配管などの物体が見つかることもありますし、既存の図面には記載されていなかったものが見つかることもあります。
新たに見つかった建物の不具合や劣化については、その症状や重要性を考慮して適切な対応(補修など)をするべきときもありますし、想定外の問題(配管の位置が予想と違っていたとき等)が見つかって予定していたプランを強引に進めると漏水等のリスクが高まることもあります。
つまり、解体前に予定していたプラン、工程、予算で進めてよいかどうかを解体後の状況に応じて再検討すべきときがあるということです。そのためにも、解体後に建物の状態をしっかり確認する必要性があり、場合によっては第三者の住宅検査(ホームインスペクション)を利用するのもよいでしょう。
ここで注意すべき点としては、リフォームやリノベーション工事を請け負っている工務店などの対応です。解体した時点で何らかの問題に気づいたにも関わらず、プラン変更等の打合せや追加見積りの説明・交渉などをわずらわしいと考えて、適切な補修や変更の提案をしない業者があるということです。なかには気づかない業者もあります。
そういった変更等の可能性があることについては、請負契約をする前段階で注文者(施主)に対して説明しておき、解体時点で一緒に現場を確認して提案するという流れをつくっておくべきですが、それが出来ていない業者にありがちです。
また、事前にそういった可能性について説明を受けていなければ、施主としても正当な理由の変更や補修の提案であっても、想定外の予算となってしまい対応に苦慮するものです。リフォーム・リノベーション業者側から契約前に説明がなくとも、そういった可能性が無いのか質問しておくとよいでしょう。
そして、請負契約時点の予算については、追加工事のことも考慮して余裕をもっておくことが大事です。