不動産のプロが家を買うなら、、、注意点や購入物件の選び方
○不動産のプロが家を買うなら 〜はじめに〜
家を買うときには、物件の見方やチェックポイント、注意点などを勉強される方も多いことでしょう。WEBや書籍などでしっかり勉強される方が増え、失敗しない住宅購入に活かされていると思います。
ただ、様々な知識を得ていくなかで、「不動産のプロ(専門家)ならどのようにして、何を考えて家を買うのだろうか?」と思ったことはありませんか?専門家でもいろいろな方がおりますし、考え方は幾通りもあります。そもそも失敗しない方法は1つではありません。
それでも、不動産のプロが家を買う時の考えを知ることは、あなたの住宅購入の参考になるかもしれませんね。そこで、私自身が「今」家を買うとすれば、何を考えどうするのかを真剣に考えてここに記したいと思います。あくまで「今(執筆は2013年9月)」の考えです。
○中古住宅を買う
基本的に中古住宅を買うことを優先します。理由はいくつかありますが、総額が同価格であれば土地の広さを望めることが大きいです。私自身がマイホームに求めるこだわり(家の使い方、ライフスタイル)を考えた時に、注文建築でプランにこだわって、、、としたいところですが、残念ながら土地探しが難航することが容易に想像できます。
建売住宅や建築条件付を選ぶのであれば、リフォームを前提とした中古住宅の購入が最も良い方法だと感じています。そのリフォームは、内装や水周り設備の交換だけではなく、間取り変更(場合によっては増築)を前提として考えるでしょう。
私の会社では10年以上も住宅診断をしてきましたが、中古住宅にもいろいろあり、建物の状態に驚くような差があることを十分に知っています。これから永く暮らす場として考えるならば、また総投資額が非常に大きなものであることも考えるならば、しっかり建物を住宅診断しておいて、良い中古住宅を買うようにすることは間違いありません。
構造躯体をしっかり診ること、そのためにも床下や屋根裏の状況が確認できること(点検口があることは必須)、この2点は必須です。どんなに立地条件などがよくても、この2点が欠けているならば買わないでしょう。
また、建物のことは建物の専門家にできる限り診断してもらう(住宅診断を利用する)ことは間違いありません。私自身が住宅診断サービスを行う会社の経営者ですから、自社でしっかり診断することは当然ですね。
- 中古住宅を買う
- 床下と屋根裏の点検口は必須
- 構造躯体はしっかりチェック
- 必ず専門家に住宅診断してもらう
○リフォーム済みの中古住宅は買わない
なかには、リフォーム済みの中古住宅が売られていますね。これには、買主が資金を投じてリフォームしなくてよいので、資金繰りの面でメリットがあると言えます。もちろん、すぐに入居できることもメリットですね。
ただ、売主によるリフォームは信用できないことも多いため、リフォーム済み中古物件への警戒感を持っています。売主が意図的に問題箇所(欠陥など)を隠ぺいしてしまうリスクもありますが、知らずに隠ぺいしていることも考えられます。
「不動産会社が売主であれば、プロですからしっかり調べて問題があれば対処しているだろう」と考えるのは甘いでしょう。不動産会社が建築のプロとは限りません。不動産会社が売主であるリフォーム済み中古住宅の住宅診断で、床下で漏水(しかも長期間と予測される)があったケースもあります。
表面的にリフォームして綺麗にすれば売れやすいので、床下や屋根裏まで点検していないのですね(もしくは気づいていて放置)。余談ですが、リフォーム済み物件を購入される方は、床下か屋根裏(できれば両方)の調査をしておいた方がよいでしょう。
また、買った後に自分好みにリフォームしたいという考えがあるため、リフォーム済みであれば新しい内装材などを破棄せねばならず、材料や工事の無駄も気になります(ここは気持ちの問題ですが、、、)。リフォーム済み物件は売買価格のなかに工事費とその粗利ものせられているので、自分でリフォームするならば資金的にも無駄が生じますね。
- リフォーム済み中古住宅は優先順位を下げる
- どうしてもリフォーム済み中古住宅にするなら床下や屋根裏の調査は念入りに
○資金計画
個人の資金計画を詳細にはあかせまんせんが、基本的に家を買う資金(売買代金)のできる限り多くを住宅ローンで賄うことを優先するでしょう。住宅ローンの金利は非常に低く、会社経営するものとしてはその金利の安さをより強く感じます。借りておかなければ損という感覚も少しありますね、、、
もちろん、資金計画については、買主の年収・頭金・家族構成・ライフプランなどによって異なりますし、類似の条件でも考え方によって異なりますので、こうすべきだとは申しません。年収、頭金などを各々が考慮して考えて頂くとよいでしょう。
また、リフォームに必要な資金は出来る限り現金で支払うことを考えているため、売買代金は住宅ローンで賄っておきたいと考えます。
リフォームは工事を始めてから、新たに問題が発覚することも少なくありません。「壁を解体してみると柱が思ったより腐食していて補強が必要だ」といったようにです。
不測の事態で追加工事(追加資金)が必要になることを考えれば、リフォーム資金として現金を多めに確保しておくべきです。ここで資金不足を理由に補修・補強すべき点に対応せず放置してしまいますと、住宅を長持ちさせることができません。ライフプランの中で見ると明らかに損です。
大きなリフォーム工事をするときほど、追加資金が必要になるリスクが高いと考えて、余裕をもっておきたいものです。結果的に、資金が思った以上に残るようであれば、それから住宅ローンを繰り上げ返済すればよいでしょう。
- 住宅ローンはできるだけ多く借りる
- 現金はリフォームに投じる
- 不測の事態(補修・補強)への対応資金を確保しておく
- リフォーム後にゆとりがあれば住宅ローンの繰り上げ返済を検討する
以上が、私が「今」家を買うならば考えることです。参考になりますでしょうか。
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荒井 康矩 住宅コンサルティング会社の経営者 住宅の購入相談、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行う(株)アネストブレーントラストを経営している。 住宅検査・住宅診断のアネスト |