一級建築士 山本覚の住宅コラム
建売住宅の検査事例:トイレに換気扇はある?
普段から、横浜や東京などで多くの住宅の検査・診断をしています。住宅の検査をしているといろんな問題に遭遇するのですが、今回はある建売住宅の検査であった事例です。
これは工事の不具合というわけではなく、仕様の問題です。トイレに換気扇がついていなかったのです。トイレに換気扇がないなんて今どきありえないとお思いでしょう。でも付いていて当たり前とは思わないでください。
建築基準法では、トイレの換気に関することについては「窓もしくはこれに代わる設備を設けなくてはならない」と書かれています。つまり窓があれば換気扇は付けなくてもいいのです。
窓だけで換気が十分に出来れば良いですが、風通しなどによってはそうもいきません。それどころか、キッチンで料理をしていて換気扇を回しているとトイレの臭気を室内へ吸い込んでしまう可能性もあります。あまり想像したくないですよね。
住宅建築の低価格化が進む一方で、本来な必要だと思われる設備を削ってしまうこともあります。価格を抑えるためなのか、トイレに換気扇がついていない建売住宅を時々見かけますので、購入前に設置されているかを確認し、もし付いてない場合はオプションでも付けてもらうようにしましょう。工事中であれば数万程度で設置できるはずです。
山本覚 一級建築士 住宅の設計・監理、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行っており、神奈川県を中心に首都圏で活躍している。 住宅検査・住宅診断のアネスト 山本覚建築設計事務所 |
≪ 住まいの専門家コラムのTOP ≫
知りたいことが見つからないときはここで検索
ジャンルで記事を選ぶ