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一級建築士 山本覚の住宅コラム

建売住宅の検査事例:床を支える束がない?


ある新築一戸建て住宅の検査・診断での実例です。1階の床を支えるもので「束」というものがあります。この束がない建売住宅があります。この束は土台などを支えています。

床下の束が無い

こまめに基礎が入っていれば問題はないのですが、スパンが飛んでいる大きな空間の下に束が全くないケースもあります。

この場合どのような問題が発生するかと言うと、土台などがたわんできてしまい、そのうちに、床が撓んだり、床鳴りがしたりします。新築した時点では問題なくとも、将来の問題となりうる可能性があるのです。

しかし、一部の建売住宅では束がなく、それがその売主の標準的な仕様となっているケースがあります。束が無いと、前述のようなリスクがあるので、良識ある建築士が目の当たりにすると驚くことでしょう。

ただ、構造計算上、必要とされているわけではなく、その会社の仕様である以上、絶対に必要とする根拠がありません。そのような建売住宅を購入する場合には、将来の床鳴り等のリスクがあることは知っておきたいところです。また、思い荷物(ピアノや本棚など)を置くと早期にたわんでくる可能性を考えておきましょう。

購入してから、この事実を知った際には、束が無くとも問題ないのか売主に説明を求め(問題ないと言うと思いますが)、問題が生じた際の補修対応を約束しておいてもらいましょう。

もし1階にリビングなどの大空間がある場合は床のたわみや床鳴りの有無をきちんと調べましょう。

一級建築士 山本覚 山本覚
一級建築士

住宅の設計・監理、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行っており、神奈川県を中心に首都圏で活躍している。

住宅検査・住宅診断のアネスト
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