元利均等返済と元金均等返済の違いとは?
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。一見、難しそうな名前ですが、意味は読んで字の如くです。元利均等返済とは、元金・利息とも合わせて毎月均等に返済していく方法、元金均等返済とは、元金を毎月均等に分割し、その元金残高により計算した利息を加えて返済していく方法です。
では、具体的に数字を出して見てみましょう。借入額3,000万円・35年返済・長期固定金利2.5%という条件で住宅ローンを組んだ場合の元利均等返済・元金均等返済の総返済額の違いを見てみます。
元利均等返済 ⇒ 総返済額は約4,504万円、利息支払いは約1,500万円
元金均等返済 ⇒ 総返済額は約4,315万円、利息支払いは約1,315万円
元金均等返済の方が、お得な結果になっています。ただ、現実には元利均等返済で住宅ローンを組んでいる方が圧倒的に多いです。なぜあえて総返済額が多い返済方法を選ぶ方が多いのでしょうか?
下記3つの理由が考えられます。
- 元金均等返済の存在を知らない方が多い。おそらく販売会社の試算が元利均等返済で出されることが多いためかもしれません。
- 取り扱っている金融機関が少ない。
- 当初の返済額は、元利均等返済より元金均等返済のほうが負担感がある。
3の具体的な数字を先の例でご紹介します。
元利均等返済 ⇒ 毎月返済額107,248円
35年間変わることはありません。
元金均等返済 ⇒ 当初毎月返済額133,928円
元金の返済が進むにつれ毎月返済額は減少します。やはり当初の負担が大きいです。
( 考え方 )
どちらの返済方法を選択したほうが良いのかは、各家庭の事情により異なります。例えばDINKS(ダブルインカムノーキッズの略:共働きで子どものいない家庭)で、当初の返済負担に耐えることができる方は、元金均等返済を選んだほうが利息支払いが減っていいかもしれません。
逆に、子どもが数人いて現在も将来も子育てにお金がかかるという方は、当初の返済負担を避けて元利均等返済のほうが安心できるでしょう。各家庭によってどちらの返済方法が向いているのかは違いますので、しっかりライフプラン=将来計画を立てた後に検討するようにしましょう。
次回は返済期間について「住宅ローンの長期返済と短期返済の差は?」でお話します。