住宅ローンの長期返済と短期返済の差は?
住宅ローンを組む際にポイントになるのが金利の選択とともに「返済期間を何年にするか?」だと思います。
住宅ローンといえども借金だから、少しでも早く完済したい!皆さんそう思うことですが、実際にはなかなかそうも行きません。
長い期間でローンを組むほど毎月の返済額は少なくなり、審査における収入基準などの条件も満たしやすくなります。
基本的に住宅は「一生に一度の買い物」である場合がほとんどで、少しでも良い物件を手に入れたいと思うのは当たり前です。それが必ずしも高額な物件と限りませんが、立地と利便性、広さや間取り、内外装、設備等を理想に近づけると結果的にだんだん高い物件になってしまうことは仕方がありません。そうなってくると、やはり長期ローンで必要年収ギリギリまでの借り入れを行ってしまうことがあります。
しかしながら、住宅ローンは少しでも短期で組んだ方が総返済額の面からみると圧倒的に有利です。
たとえば、借入額 3,000万円、長期固定金利2.5%、ボーナス払いなし、元利均等返済で試算して比較してみましょう。
■35年返済の場合
毎月返済額=107,248円 → 年間返済額=1,286,976円 → 総返済額=約4,504万円
■30年返済の場合
毎月返済額=118,536円 → 年間返済額=1,422,432円 → 総返済額=約4,267万円
■25年返済の場合
毎月返済額=134,585円 → 年間返済額=1,615,029円 → 総返済額=約4,038万円
以上のように、返済期間が長期化すると、 総返済額で大きな開きが出ることを分かって頂けると思います。
同じ借入額でも35年返済と25年返済では、総返済額に約466万円も違います。人生で他に使えるお金が466万円も差がついてしまうことになります。 (一般的な車の購入で2台分ぐらいでしょうか)
どうしてそんなに差額が出るのでしょうか?
住宅ローンの返済の仕組みによります。ローンの利息は元金の残高に掛かります。単純に言えば、元金が減ればそれだけ支払う利息も少なくなるということです。
元利均等返済の場合、返済期間が短いほど1回の返済金に占める元金返済部分が多くなりますので、元金残高が減るペースが速くなり、余計な利息を支払わなくて済みます。逆に長期になればなるほど、元金残高は少しずつしか減りません。当然掛かる利息も多くなってしまうというわけです。
住宅ローンを組む際に、ぜひ知っておいて欲しいと思います。(現実は業者に言われるがまま、35年で組むものだと思っている方は少なくありません)
ですから、毎月の返済額を決定する際、『住宅購入後の日常生活で支障なく返済できる額』を家計から算出していただいて(ライフプランを立てて慎重に見極めすることが大事です)、その範囲で出来るだけ短めの返済期間を選んでいただくことをお勧めいたします。
次回は、住宅ローンの金利が適用される時期について「住宅ローン金利の適用時期は?」でお話します。