住宅ローン特約(融資利用の特約)の注意点(1)
住宅を購入するときには金融機関から融資(住宅ローン)を受けることが多いですが、融資を受けて購入するのであれば、住宅ローン特約について理解しておき、その注意点を抑えておく必要があります。住宅ローン特約は、単にローン特約と呼ばれることもありますが、売買契約書には融資利用の特約と記載されていることが多いです。
住宅ローン特約 = 融資利用の特約
ということです。
住宅ローン特約(融資利用の特約)とは、金融機関からの融資金を住宅購入代金に充当することを前提とした売買契約とし、万一、融資を受けられない場合には売買契約を解除して、買主が支払い済みの手付金等を売主より返金してもらうことができる契約条項です。
売買契約の際には手付金を支払うことが一般的ですが、その後に融資を受けられないことが理由で購入できず、売買契約を解除しても、支払った手付金が戻らない可能性があるとなれば、買主にとってはリスクが高すぎます。このリスクを抑制することができるのが、この住宅ローン特約(融資利用の特約)です。
住宅ローン特約(融資利用の特約)は、融資の一部や全部が否認されたときに契約解除となるものですが、否認されれば自動的に解除となるパターンと、否認後に買主が申し出ることによって解除できるパターンの2種類あります。
○一般的な住宅購入の流れ
住宅ローンの審査や売買契約の流れやタイミングがわかっていないと理解しづらい方もいるであろうため、一般的な購入の流れを記しておきます。
- 購入の申し込み
- 住宅ローンの仮審査(事前審査ともいう)
- 上記2の承認
- 売買契約と手付金の支払い
- 住宅ローンの本審査
- 上記5の承認
- 住宅ローンの融資実行・代金の支払い・引渡し
上記4の売買契約を締結する際に、その契約書に住宅ローン特約(融資利用の特約)について明記してもらわなければなりません。ちなみに、特約のこと自体はどのような不動産会社であっても記載していることでしょう。住宅ローンを利用しない場合は、この特約の記載は不要です。
○審査内容
住宅ローン特約(融資利用の特約)は審査で融資の承認を得られないときのために必要なものですが、金融機関が審査でチェックしている主だった項目を紹介しておきます。審査対象を大別すると、物件と人(借入本人や保証人)にわけることができます。
・物件
担保評価、違反の有無
・人(借入本人や保証人)
年収・業種・職種・勤続年数・勤務先の規模・借入希望額・自己資金の額・他の借入やその滞納状況
物件的にも人(借入本人や保証人)についても審査対象ですが、審査自体はこれらの項目について総合的に判断されるものです。
次ページでは、住宅ローン特約(融資利用の特約)の注意点についてお伝えします。
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