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FP 長谷剛史の住宅コラム

住宅ローンの繰り上げ返済と資産運用の組み合わせ効果


 住宅ローンの繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減型の2種類ありますが、この繰り上げ返済に資産運用を組み合わせた効果を検証してみたいと思います。

 (例)借入額3,000万円、長期固定金利3%、元利均等返済
 利息分18,491,123円  毎月返済額115,455円 3年後に300万円を繰り上げ返済

 1、期間短縮型  利息軽減効果423万円   期間短縮62ヶ月
 2、返済額軽減型 利息軽減効果168万円   期間短縮 なし 
             繰り上げ返済後の毎月返済額103,311円

 利息軽減効果だけでみると「期間短縮型」のほうがお得ですが、ここから資産運用という視点を組み合わせてみましょう。

 返済額軽減型で毎月の返済額は115,455円−103,311円=12,144円減少していますので、この毎月の浮いた金額(約12,000円)を毎月積立投資にまわします。住宅ローンは残り32年あり、その期間を年4%で運用できたとすると935万円になります。元本460万円(12,000円×12ヶ月×32年)ですので475万円増えたことになります。

 次に、期間短縮型を選んだ場合、約5年返済期間が短くなりますので、住宅ローン完済後5年間運用することができます。今まで毎月支払っていた約11.5万円を5年間年4%で運用できたとすると765万円になります。元本690万円(11.5万円×12ヶ月×5年)ですので75万円増えたことになります。

 ○期間短縮型のお得度 =利息軽減効果423万円+運用成果75万円=498万円
 ○返済額軽減型のお得度=利息軽減効果168万円+運用成果475万円=643万円

 上記のような結果が出ましたが、皆さんはどのように感じましたか?年4%運用は無謀な数字ではなく、充分可能な期待リターンだと思います。住宅ローンの繰り上げ返済を考える場合、短期的な利息軽減効果に着目するのもいいですが、長期的な視点に着目してみるのも良いのではないでしょうか?

 様々なことに言えることですが、「周りが皆やっているから」・「大手の金融機関だから」・「薦められたから」と鵜呑みにするのではなく、自分自身で考えてみることも大切ではないでしょうか?その上で判断に迷うようなときは、専門家を味方に付けて乗り越えることも一つの選択肢だと思います。

長谷剛史
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