本当に変動金利で大丈夫か?売り手側が住宅ローンの変動金利を勧める事情
住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて3種類あります。1つは金利が変わらない「固定金利型」、2つめは指定した一定期間だけ金利を固定する「固定金利選択型」、3つめは、年に2回金利を見直す「変動金利型」です。
住宅ローンを考える場合、まずはこの金利タイプの違いを充分に把握し、どれがライフスタイルに合っているかをしっかりと見極める必要があります。3つの金利タイプの特徴については割愛しますが、ここでは売り手側の心理と住宅ローンの金利タイプについてお話しして行きましょう。
住宅購入のための借り入れを検討する際、恐らく多くの場面で売り手側から「変動金利型」を勧められる可能性が高いと思います。住宅販売業者にしても金融機関にしても、「変動金利型」もしくは「短期の固定金利型」を勧めてくるかもしれません。
金融機関がそのような金利タイプを勧める理由はシンプルです。長期的なスパンで考えた場合、金融機関にとってそのほうが有利だと考えているのです。つまり、将来的に金利上昇が有り得る場合、貸す側は調達金利の上昇リスクを借り手側へ転嫁できるのです。
一方、住宅販売業者の立場から考えると、金利が将来的に上昇しようと、金融機関のようなメリットがあるわけではありません。
住宅販売業者が「変動金利型」を勧めるのはどうしてなのでしょうか?大きな理由の一つは、返済当初の適用金利が低いために、目先の返済額を抑えることが出来るという点にあります。お客様に物件を勧める際、お客様に物件自体を気に入るかどうかは勿論大きなポイントですが、最終的に購入の決断を後押しする決め手となるのは、お客様がその物件を「買えるのかvs買えないのか」という点になってきます。
いくら物件を気に入っても住宅ローンの返済額が家計を圧迫するようなものでは諦めざるを得ません。そこで目先の金利が低いローンプラン、ほとんどが「変動金利型」による返済計画を提案してくるように思います。
「勧められるがまま変動金利で住宅ローンを組んでしまいました。」というお話を聞くことが多いです。 それは決して変動金利型で組んだことが良くないと言っているのではありません。住宅販売業者や金融機関、いわゆる売り手側のそういう事情を頭の片隅に置いて臨んでいただければ、より適切にチェックを行った上で金利ライプをご選択していただけるのかな・・・と思っています。