2014年7月に地震保険基準料率が改定される
損害保険料算出機構によりますと、2014年7月以降の保障開始となる地震保険の基準料率改定が行われます。まずは地震保険のおさらいをしておきます。
地震保険とは大規模な地震により巨額の損害が生じた場合、民間の保険会社では補償しきれない事態を想定して、政府が再保険を引き受けることによって、政府と分担して補償するものです。
加入者が支払う地震保険料は将来の保険金の支払いに備えるため、必要な経費分を除いた額を責任準備金として積み立てる仕組みを取られています。
その料率は将来の地震の危険度に基づいており、利潤を求めずに適正な原価が算出されます。必ず火災保険と合わせて加入することになっており、地震保険料部分について保険会社で保険料が異なることはありません。
今回の地震保険の基準料率改定ですが、
・確率論的地震動の予測モデルを2012年版に更新
・地盤の分類、および、地点を増やして地震動を計算
・地震火災に出火危険度を更新
・損壊や液状化、および津波による被害についての近年の地震で得た知見を反映
による見直し(料率・等地区分・割引率)だそうです。
1.改定率
現行の料率に対する引き上げ、引き下げは都道府県、建物の構造によって異なります。全国平均は15.5%の引き上げとなります。
<保険期間1年の場合の引き上げ率・引き下げ率>
都道府県をピックアップ(東名阪、変動で注目の県)
イ構造※ ロ構造 ※…マンション等
埼玉県 +30% +30%
千葉県 +20% +7%
東京都 +20% +4%
神奈川県 +20% +4%
山梨県 −8% −12%
愛知県 +20% +7%
滋賀県 0% −17%
京都府 +29% +30%
大阪府 +30% +30%
兵庫県 +29% +30%
2.等地区分
都道府県ごとに地震の危険度に応じて分類している等地については4区分(1〜4)から3区分(1〜3)に集約されます。
都道府県をピックアップ(東名阪、変更で注目の県)
福島県 1→2
埼玉県 3→3
千葉県 4→3
東京都 4→3
神奈川県 4→3
愛知県 4→3
滋賀県 2→1
京都府 2→2
大阪府 3→3
兵庫県 2→2
3.割引率
免震建築物割引率および耐震等級割引率(耐震等級3や2)の割引率は現行よりも拡大されています。
免震建築物割引率 30% → 50%
耐震等級割引率(耐震等級3) 20% → 50%
耐震等級割引率(耐震等級2) 20% → 30%
地震保険料は上記の要素に基づいて決定されます。報道等により改定をご存知の方の中には、地震保険料が7月以降上がってしまうイメージを持っておられたと思いますが、上記の通り下がるケースもあることをお分かりいただけたと思います。
つまり、7月までに火災保険(地震保険)を解約して入り直したほうが良いケースもありますし、逆に7月以降に入り直したほうが良いケースも出てくるのです。そのあたりは個別で異なりますので、これを機にわが家が加入する火災保険・地震保険の点検をされても良いかもしれません。