ライフプランによる住宅購入資金チェックポイント(年収・支出・自己資金)
住宅は「人生で一番高い買い物」と言われています。住宅購入後も長きに渡って住宅ローンの返済が出来るのか?今後想定される色々なことを踏まえてご検討されたほうがいいですよ。
お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)の立場から、そのようなことをご相談で申し上げています。恐縮ながら他のコラムやブログでも頻繁に書いています。
ご相談者世帯の人生の資金計画、いわゆるライフプランを仮に立ててみて、(住宅ローン返済を含めた)住居費が家計の中で過度な負担とならないかどうか? 将来の生活で深刻な影響を及ぼさないかどうか? 短期的+長期的な視点で資金計画の診断を行っています。
ライフプランで重点的にチェックしているポイントをお伝えします。大きく分けて3つの項目になります。
1.住宅購入後の世帯年収がどうなりそうか?
- 少なくとも住宅ローンの返済年数+10年ぐらいの年収推移を想定します。
- 住宅ローン完済年齢までに年金受給が到来するようなら、年金加入歴や標準報酬月額をもとに年金収入を仮算定していきます。
- 正社員かどうか、出向の可能性、勤務地・ポジション・働き方(出産育児休業)・福利厚生などの制度(勤務時間、各種手当、定年、退職金/企業年金の有無、再雇用制度)を確認します。
2.住宅購入後の世帯支出がどうなりそうか?
- 住環境の影響で光熱費、交通費、車の維持費等がどのように変わりそうか?
- 経年を考慮した建物維持費が確保されているか?
- お子様がいらっしゃれば(予定されていれば)、時系列に生活費の増加・大学卒業までの養育資金を見積って組み込みます。
- 人生で大事にしたい<生きがいに関する>出費は原則削りません。
- ご親族への仕送りや奨学金などの負債も考慮します。
- 今後何かあった時の保障をどう手当するのか?(増やす/減らす/内容変える)
- 細かいですが消費税アップ分も少し入れておきましょう。
3.世帯の金融資産はどうなりそうか?(自己資金の検討)
- 貯蓄のうち、どれぐらい住宅資金に回せそうなのか?
- 不測の事態のための生活費を置いておけるのか?
- 親族からの援助がありそうか?(借り入れが出来そうかどうか?)
- リタイア後の生活費を賄えるだけの貯蓄が出来そうのか?
- 当面使わないお金をどうするのか。運用先があるのか?
まだまだ有るのですが、主に上記の項目をご相談者の立場で比重変えながら、総合的に考えて行きます。
その上で「住宅購入のゴーサインが出せるのか?」将来不確かなリスクを意見交換しながら診断を進めて行きます。現状で課題や心配が有ったとしても、解決できる充分な見込みがあればOKだと思います。
一般的には年収が高い、購入価格が低い、自己資金が多い、年齢が低い(リタイアまでの年数が長い)ほど住宅購入のゴーサインを出しやすいと考えられがちです。
しかし、繰り返しになりますが、ライフプランから総合的に判断するため、決してそうではないケースもあります。先ほどのチェックポイントをほとんどクリアできるのであれば、きっちりと家計管理を続けていく前提はありますが、当初から無理と諦めないほうが良いかもしれません。あとは住宅ローンの審査がクリアできれば・・・というケースもありました。
いずれにしても、住宅購入前と購入後の家計状況を客観的に知ることが重要で、大部分ハッキリするでしょう。 そこを確認した上でご本人が無理なくこなして行けるかの決意に掛かってきます。
最後は誰にでもリスクが存在しますから、ある程度のカバーが出来るのか?
(故に、ほとんど余裕がない資金計画となっていれば・・・NGとなります)
以上、ご参考いただけましたでしょうか?一度ご自身でチェックポイントのあたり確認してみてください。