中古マンションの直接取引(直接購入)の相談
A:
賃借中のマンションをオーナー(所有者)から直接に買い取るというお話ですね。オーナーが売却に出す場合には、最初に借主に売却話を持ち掛けることはよくあることです。
今回のように売主と買主が直接に取引をする場合は、契約書の作成や物件情報・状況の適切な把握ができるかどうかが問題となります。特に、買主にとっては高額な買い物だけにリスクが小さくないですね。
ただ、今回のケースであれば、今まで居住しているマンションですので、室内の状況(内装・設備などの状態や隣、上下階との音の問題など)についてはよく把握できていることでしょう。
よって、最も心配されるのは取引の進め方と契約内容(売買契約書の作成)です。また、今まで住んでいるとはいえ、借りているだけであれば、そのマンションの修繕計画とその適正さまでは把握し辛いと思われるので、管理面・修繕計画面のチェックはしておいた方が良いでしょう。
もう1つ、直接取引の際によく相談されるのは、価格が適正であるかどうかという点です。これは、そのマンションの売り物件が出ていれば、その価格も1つの参考にしても良いですが、売り出し価格は相場よりもかなり高いこともあるので、注意が必要です。
周辺のマンションのチラシともよく比較するようにしましょう。比較するときは、築年数、立地(駅からの距離など)などの条件の違いも考慮するのは当然ですね。
○取引の進め方と注意点
1.物件情報・状況を把握する
室内や共用部の現況の確認はもちろん、管理規約や長期修繕計画の確認は必須です。この確認後に、問題ないと判断すれば購入を進めて良いでしょう。
2.金融機関に住宅ローンを打診する
不動産会社を介さない取引の場合には、金融機関が住宅ローンの融資をしないこともありますので、事前に確認しておきましょう。
3.契約書を作成する
できれば、弁護士などの専門家に依頼すると安心です。不動産会社に交渉すれば、割安な仲介手数料で対応してもらえることもあります。
また、当事者で作成した売買契約書を第三者にチェックしてもらう方法もあります。
これに要した費用は売主の承諾がない場合、買主が一方的に負担することになりますが、大事なことですので、コストをかけても良い点ではないでしょうか。
4.住宅ローンの申し込み
5.引渡しと残代金の支払い
ちなみに、借りているマンションを購入するのであれば、まだそのマンションの居住経験から様々な情報を得ていますが、居住していない物件を直接取引で購入する場合には、第三者に住宅診断などをして頂くことを前向きに検討した方が良いでしょう。戸建て住宅であれば、土地条件のチェックもして頂く方が良いでしょう。